CSPPをもっと知る > 学生・修了生からのメッセージ > 臨床心理士資格を取得 > 遠藤あきこさん、嶋田兼壱さん
臨床心理士の資格を得て、臨床家としてのステップを上がるCSPPの修了生たち。
2015年 大学&大学院.net (株)リクルート
 特集 編集部のスペシャルレポートより
カリフォルニア臨床心理大学院(CSPP)をひとことで言うなら「臨床家がつくった臨床家を育てるための大学院」ということになるだろう。2002年に開校した東京サテライトキャンパスは、社会人が働きながら学べる独自のカリキュラムと、320時間に及ぶ臨床実習で高める臨床力で、多数の心理セラピーの専門家を輩出してきた。CSPPで学び臨床心理士の資格を取得した2名の修了生に、CSPPでの学びを伺った。
心理セラピーの
臨床家を育てるために
生まれた米国の大学院
カリフォルニア臨床心理大学院(CSPP)は、1969年に設立された米国の大学院である。現在は心理セラピーの先進国といってもいい米国だが、それまでは心理セラピーの教育分野でも理論の研究が専攻していた。そこにいち早く「臨床家育成」をテーマに掲げて開学したのがCSPPである。
「すぐれた臨床家が教えることで、はじめて臨床家が育つ」として組み立てられた実践的なカリキュラムは、すぐに米国で高い評価を獲得し、現在では全米の多くの大学院のカリキュラムモデルに採用されるまでになっている。
この質の高い、心理セラピーの臨床家を育成する教育を日本で展開するために、2002年に誕生したのが東京サテライトキャンパスの臨床心理学研究科修士課程である。
臨床家を育成する
320時間の
臨床実習と
スーパービジョン
CSPP東京サテライトキャンパスは、開学当初から社会人が働きながら学べるカリキュラムを採用している。大学院生はフルタイムの通学制ではなく、臨床家育成という実践に重点を置いたインターネットを活用したオンライン授業と、月1回行われる東京での対面授業を組み合わせたカリキュラムで履修していく。そして、そこで学んだ理論と経験のすべてを総点検し、柔軟な臨床力に結びつけていくカリキュラムが「臨床実習」である。CSPPではここに320時間という時間を設定し、週1時間以上1対1で行われる臨床指導「スーパービジョン」と合わせて行われる。このような臨床家育成の実習スタイルは米国では定着しているものだが、この仕組み自体を大学院教育として最初に作り上げたのがCSPP本校である。東京サテライトキャンパスでも、この臨床実習のスタイルを実践している。
修了生インタビュー1
臨床心理士遠藤あきこさん(2013年修了)
臨床心理士
遠藤あきこさん(2013年修了)
もっと子どもたちに寄り添う仕事がしたい
遠藤さんがCSPPで勉強しようと決意したのは、地元の宮城県で不登校や引きこもりなどの子どもたちを相手に勉強を教える仕事をしていた時だった。仕事にやりがいを感じていたものの、民間企業だったこともあり、会社は効率を重視した。「もっと子どもたちに寄り添う仕事がしたい」と考えていても、なかなかそれを相談できるような環境ではなかったという。
「さまざまな問題を抱えている子どもたちを相手にさまざまな相談にのっているわけですが、当時の仕事の重点はカウンセリングではなく『家庭教師』です。勉強を教えるだけでなく、子どもたちのためにもっと自分にできることはないのか。そんな思いが日に日に強まっていきました。本格的に心理セラピーを学びたいと大学院などを調べ始めたものの、ほとんどがフルタイムの大学院で仕事と両立はできません。まして暮らしていたのが宮城でしたから、まったく選択肢はありませんでした。そんな時に出会ったのが働きながら学ぶことができるCSPPだったのです」(遠藤さん)。
臨床心理士遠藤あきこさん
臨床実習とスーパービジョンは貴重な体験
一緒に入学した同期の院生たちも北海道から沖縄までの全国から集まってきた学生だった。すでにカウンセリングなどの経験を持つ人も多かったと遠藤さんは言う。2年次までは宮城での仕事を続けながら、月1回のスクーリングに通う生活を送った。3年次からの臨床実習にのぞむにあたり、会社を辞め上京した。
「子ども相手の臨床を行いたいと考えていたので、宮城県では適した実習先を探すのが難しかったということもあります。それにCSPPの良さはこの『臨床実習』と週1回行う1対1でのスーパービジョンだと思っていたので、勉強に専念しようと決心しました」。
1年かけて行った大学病院での臨床実習とスーパービジョンでのフィードバックは、何事にも変えられない経験だったという。
「それまでも仕事で子どもたちに接してきたわけですが、専門的な目で見てこなかったことに改めて気付かされることの連続でした。それまで何気なく返していた言葉が子どもたちにとってどんな意味を持っていたのか、『しんどそうに』見えていたのは自分の思い込みだったのではないかとか・・・。先生にも言われましたが、2年次までのCSPPでの勉強は『目次』のようなものです。その先には、たくさんの理論の中から自分に合ったカウンセリングのありかたを見つけなければいけません。そのためにあるのが臨床実習であり、スーパービジョンなのです」。
2年の実務経験は遠回りではない
遠藤さんはCSPPを修了後、教員免許状を持つキャリアを活かし現在の児童相談員の仕事に就いた。ここで2年の実務経験を積み、2015年に臨床心理士の資格を取得した。
「最初のうちは、『臨床心理士』の資格はあったほうが便利かもしれないと考えていた程度でしたが、学んでいくうちに資格を取ろうという気持ちが強くなっていきました。臨床心理士の資格は就職や次のステップに進む際に役立つのは間違いないですし、さまざまな研修を受けることができるというメリットもあります。CSPP修了生の場合、臨床心理士の取得には2年間の実務経験が必要ですが、これぐらいの実務経験では心理セラピーの専門家としてはまだまだ未熟です。決して遠回りをしたとは思っていません。今後はさらに経験を積み勉強を深めて、より適切なカウンセリングができるようになりたいと考えています」。
修了生インタビュー2
臨床心理士嶋田兼壱さん(2013年修了)
臨床心理士
嶋田兼壱さん(2013年修了)
メンタルヘルスを勉強したい
嶋田さんは経営コンサルタント会社に勤務し、企業研修などを担当していた。当時は社員のメンタルヘルスに注目が集まり始めた頃で、相談を受ける内容も能力向上だけでなく、社員の精神面でのケアをどうするかという内容が多くなっていた。メンタルヘルス分野の担当になった嶋田さんは、まずは自分がしっかり勉強しようと、カウンセリングスクールに通うことから始めたという。
「最初に通ったスクールでは、カウンセリングのテクニックを中心に教える内容で、その奥にある対象者の精神面のことを学ぶことができませんでした。やはりしっかりとした大学院で学ぶことが大切だと気付き、CSPPに入学することを決めました」。
臨床心理士嶋田兼壱さん(2013年修了)
働きながら学べる心理セラピー先進国の教育
いくつか候補を上げた中で決め手となったのは、働きながら学べることと、心理セラピーの先進国である米国の大学院であるということだった。
「CSPPで学んで一番良かったのは、CSPP本校への短期研修と320時間の臨床実習です。特にCSPPの臨床実習はクライエントに対して実際にカウンセリングを行いますから、自分がそれまで学んできたことがどれだけ薄かったかということを実感させられることの繰り返しです。そのやりとりをスーパービジョンの中で振り返りながら身につけていく臨床力はとても実践的なものです」(嶋田さん)。
資格を活かし、医療機関と連携した新事業を
「入学当初は心理セラピーの知識を高めて、これからの事業発展に貢献しようと思っていましたから、臨床心理士の資格を取ろうとは考えていませんでした。しかし学んでいくうちに、自分のスキルを活かして愛着障害を持った子どもたちを相手にしたカウンセリング施設を立ち上げたいと思うようになりました。しかし、カウンセリングは決して万能ではありません。医療機関とも積極的に連携して動く必要がありますが、そのためには『臨床心理士』という資格が自分の能力を証明するパスポートになります。さらに、資格を取得すれば、協会が主催する研修に参加できるという良さもあります。入学して3年目を迎えた頃に、臨床心理士に挑戦しようと思いました」(嶋田さん)。
嶋田さんは、見つけた新しい夢を目指して転職を決意し、仕事を続けながら臨床心理士の受験資格に必要な2年間の実務経験を積んだ。
「協会が求める臨床実務の時間数は1200時間。終わってみれば、これだけの時間を使ってもとても充分だとは思えていません。毎回毎回新しい発見と気付きの連続でした。カリフォルニア州では心理カウンセリングのプロ資格の受験のために3000時間という臨床経験が必要だそうですが、それも当然かもしれないな、と今では思っています。無事臨床心理士の資格を取得し、次のステップに踏み出す準備が整ったので、これからが本番です。これまで得たものをフルに活用して、よりクライエントのためになるような仕事をしていきたいと思っています」。
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